初めての出産(美律)平成15年6月15日(日)21:00頃… ん、なんとなくお腹がキリキリする。 下痢に似た痛み… 「うーん、予定日(6月17日)近いし、もしかして…コレ陣痛?」 とりあえず母に電話。 私 『ねー、なんか時々お腹がキリキリするんやけど…』 母 『それ、陣痛…。そろそろ用意しときなさい。』 私 『ウン、わかった。間隔短くなったらまた電話する。』 そう言って、とりあえず後回しにしていた夕飯の洗い物、洗濯、掃除。 用意していた入院準備バックのチェック。 23:00頃 ようやく身の回りが落ち着いた頃には30分間隔。 まだまだ平気。 ☆ その頃…旦那サマは、翌日の社内テストに向けて別室で勉強中 私は何にもする事が無いので、と言うよりは何もしたくないので(笑) 一人でTVゲーム。 『これでも初産かしら…?』と思うくらい、 他人事のように落ち着いている。 23:30 陣痛が5~6分おきになる。 この頃には痛みが強くなってきて、陣痛の間は少しキツイ とりあえず、まだゲーム。 23:50 3~4分おきに痛み出して、『あー限界。』病院にTEL 看護婦さんに 『まだ余裕がありそうね…(σ_σ)んじゃ、とりあえず着てみて』 と言われ、旦那サマと母に連絡 0:05 家を出発 0:15 病院に到着 実は、この日は満月&大潮 そのためか…、16日に生まれた赤ちゃんは6人くらいいた。 ちょっと多め? 陣痛室には、出産間近の妊婦が私を含め3人。 分娩室に1人。 分娩室に入っている人の声が外まで聞こえる…。 『イヤー』『もう駄目ー』『ウギャー』 ↑こんなもんじゃなく、私は目が点。 なんだか恥ずかしくなった私は、自分は頑張ろうと決意する! 陣痛が1~2分おきになると、 もう腰も背中も、体中が砕けそうにダルイ このだるさは他に表現が出来ないくらい。 『んあ゛ーっ』 つい力が入ってしまう。 『ヒッヒッフー』 が出来ない。 一晩中、母と旦那サマに足や腰を擦ってもらいながら 気が付くと 3:00過ぎ。 陣痛の際に力んでしまった拍子に 『パーーーンッ』 水風船を床に叩きつけて割ったような音とともに破水。 バケツの水をひっくり返したくらいずぶ濡れになった。 その音に、ビックリ目が点なのは、私と旦那サマだけ。 母は、一生懸命私の足を擦ってくれていたので気付かなかったようです 本当は、こういう時は力まず「ヒッヒッフー」 でも、なかなかうまく行きません とりあえず看護婦さんを呼び、破水した事を伝える。 寝たきりの状態で着替えをしてもらうが、なかなか身体が言う事を聞かない。 身体に力が入らない 4:30頃 隣のベッドに妊婦さんが一人きりでやってきた。 静かに入ってきて、静かにささやくように『ヒッヒッフー』 ただ一人、静かに『ヒッヒッフー』 『すごい人だわ…、』 5:00 そう思っていると、看護婦さんが車椅子を持って来て 『んじゃ、もう行く?』 と、分娩室へ… もう?早すぎ… 後から聞くと、二人目の出産で里帰り。 両親は上の子の面倒を見てくれていたので、一人だったとの事。 出産に向けて、大袈裟とも思えるほど叫び続けるママ、 ただ静かに呼吸を整えて耐えるママ。 痛みの個人差はあるにせよ、極端な2人を目の前にした。 客観的に自分の姿を見直してみる… 私は…中間? 静かに耐えてはいないけれど、必要以上に叫んでもいない。 6:00 『私、破水してあんなに羊水が出たのに、赤ちゃん…大丈夫なの?』 と、不安になる。 着替えをしてもらってから、その後看護婦さんは来ていない… 6:30 すごく便意を催す。 母に、 『看護婦さんにトイレ行きたいって伝えて』と、お願いする ☆ このころ旦那サマは… 会社へ出勤(月曜日)するため、一先ず着替えに帰る。 看護婦さんが来て『ちょっと失礼』 産道を確認… 『赤ちゃんの頭が見えてきたから、そろそろ行こうか。』 …あ、そうなんだ。 便ではなくて「赤ちゃん」だったのだ。 たった一晩の長かった陣痛も終盤… 私の元に車椅子がやって来た。 自分では力の入らない身体を車椅子に移乗介助してもらい、 旦那サマ不在のまま、分娩室へ向かう。 すぐ隣の分娩室なのに、遠い・・・ 少しの時間のはずなのに、何度も陣痛に襲われる。 6:50頃 分娩台の横に着いた。 看護婦さんに、『はい、自分で上がって』と、言われるが、 力が入らない、なかなか自分で上がれない。 看護婦さんに手を引いてもらって、やっと分娩台に横になる。 足をセットされ、布をかけられる。 いよいよだ! 1回目の陣痛。 『う゛ーん』声が漏れる 陣痛の波と同時に、力を入れる ※コツは、おへそを見ながら、息を吐き、腹筋に力を入れる 医師『頭がそこまで見えてきた。』 『声を出さないでねー』 『次行くよー』 2回目陣痛が来た… 思いっきり力む! 医師『頭が大きいからなかなか出てこんなー』 『次ちょっと押すよー』 3回目の陣痛 思い切り力む。 先生が腕をお臍から下に向かって押し出す。 頭が出た ・・・ もう少し。 4回目の陣痛 またまた力む。 『オギャーッ』 すごく大きな、そして元気な声が廊下まで響き渡る。 看護婦『元気な男の子やねー。』 私 『え?男の子?』 看護婦『…ん?あ、ごめん!女の子だった。 あまりに声が元気だったから(笑)』 って…、頼むからビックリさせないでよ~。 看護婦さん(笑) と言うわけで… 6月16日(月) AM7:27 体重3346g 身長50cmの 元気な産声で生まれた女の子。 両目の視力が0.02のド近眼の私は 眼鏡をかけていなかったのに、何故か産後スグの何分か…、それとも 何秒かは娘の顔がよく見えた。 周りの風景も、良く見えた。 なんとか娘が生まれる直前に病院に戻って来れた旦那様。 無事に娘の声は届いた。 産湯に浸かって綺麗になった娘は、パパとばぁばと対面。 看護婦さんに抱かれて落ち着いていた娘は、 パパに『全然泣かないね』と言われた途端に、 『ビェーンッ!』 そして、すぐパパに抱っこされました。 その間、私は分娩台でグッタリしていました。 数分後、もう一度私の元に戻ってきた娘は 初めて私のオッパイを飲んだ。 ものすごく感動! 思わず涙が出た。 『ありがとう』 旦那サマが分娩室に入ってきた。 初めてのスリーショット。 私は妊娠中に、子供の名前を考えようと言ったのに、 旦那サマは『顔を見てからインスピレーションで決める!』 と言っていた。 旦那サマに『名前浮かんだ?』と聞いてみた。 旦那サマは『浮かばない…(>_<)』 私は、こうなる事は予測できていたのです(笑) だから事前にネットで名前を色々と探していたのだ♪ 私 『”みのり”はどう?』 旦那サマ『いい響きだね・・・、漢字は?』 私 『美しい、旋律…で”美律”』 旦那サマ『ほぉ~、それにしよう♪』 名前が決まった! み の り 『美 律』 人生の美しいメロディを奏でられるように… 旦那サマは、違う想いがあるようですが…未だに教えてくれません。 少し、お乳を飲んだ美律は、検査等のため新生児室へ… その後、2時間ほど分娩室で寝て過ごしました。 10:00頃 7:27に生まれた娘、美律は検査も終え新生児室で寝ているのかな… 自力で起き上がることが出来ないくらいグッタリしていたので トイレにもいけない。 だから、病室に行く前に看護婦さんが膀胱に管を通し、 尿を抜き取ってくれた。 看護婦さんが車椅子を持って分娩台の横に来てくれたので 分娩台から降りる。 自分でもビックリするくらいフラフラ…。 病室に着くと、母が荷物の整理をしてくれていた。 ・・・と、そこには会社に行ったはずの旦那サマ!? 朝まで徹夜で陣痛に付き合った旦那サマ。 上司が『今日は帰って休め』と言ってくれたらしい。 もちろん、社内テストは延期…。 *:'゚。.*:゚・'゚゚:。'・ お昼までひと休み 。:+"。*・':゚:*♪:'゚`。+ お昼ごはんがやって来た♪ 旦那サマと母は、売店で買ってきたお弁当を食べた。 12:00~13:00 新生児面会の時間に、フラフラとおぼつかない足取りで、 母と旦那サマと一緒に美律に会いに行く。 ケースに入った小さい赤ちゃんがいっぱい。 この時期に生まれた女の子は少なくて、15人中4人しかいなかった。 少し大きめの、顔のぷっくりとした赤ちゃんでした。 お昼過ぎ、 インターフォンで呼ばれ、初めての本格的"授乳タイム" 他の赤ちゃんより、人一倍泣き声の大きな赤ちゃんがいた。 …美律だった(笑) この日から3時間おきの授乳が始まる。 入院中は朝も、夜もお構い無し。 赤ちゃんがお腹をすかせて泣くたびにお母さん達はインターフォンで 『○○さーん、授乳でーす』と、お呼びがかかる。 赤ちゃんが泣かなくても、最低3時間に1度。 最初の2日間くらいはキツかった! 陰部は縫っているから痛いし、痔にはならなかったものの 力んだせいで違和感を感じるし…。 膀胱も緩んでいた。 私が、入院したのは大きな総合病院。 初産だし、万が一のことがあってはと母が言うのでソコにした。 先生も、看護婦さんも感じがよかったんだけど、ひとつだけ不満があった。 それは、どの部屋も全ての人がカーテンで締め切っていた事。 3時間おきに起こされて、みんな産後疲れなのはわかっている。 カーテンを閉めて眠りたい人もいるだろう。 けれど、起きている人も、ずーっと締め切っているから、気持ちが憂鬱になった。 窓際のベッドは明るい日差しが入るけれど、 私の居た廊下側のベッドは最悪だった。 薄暗いし…、まわりにどんな『ママ』が居るのかもわからない、 病室では、お見舞いに来てくれた人としか会話が出来ない。 私は、母や妹が毎日来てくれていたし、 旦那サマは会社のお昼休みに歩いて病院まで来てくれた。 旦那様の場合…私が心配なのではなく、美律を見に来るでもなく、 昼ごはんを食べに来ていただけなのかも知れない… いやいや、こんな失礼な事は言ってはいけない…(笑) いくら会社から遠くないとしても、歩くには結構な距離。 6月の、雨降りや、暑い時に来てくれただけでも感謝してる。 一緒に昼ごはんを食べて、美律の所へガラス越しに会いに行く。 少し休んで、会社に帰る旦那サマ。 昼休みの時間を残業カバーで融通してくれた上司にも感謝だな。 社内結婚なので、そういう点はとても、助かった♪ 3時間おきに授乳に行くとほとんどの赤ちゃんは泣いていた。 1日目後半か、2日目くらいからは美律の声が聞き分けられた。 これが母子の力だわ、きっと。 おしめを替え、体重を計る。 お乳を飲ませて、また体重を計る。 これで、飲んだお乳の量がわかる。 私はたくさんお乳が出たし、美律はたくさん飲んだ。 途中でウンチをする赤ちゃんも少なくない。 もちろん美律も…(笑) 『ボフッ』とすごい音! 思わず、まわりのママも笑ってしまう。 こんな生活が3日間続いた。 7月20日 入院4日目。 ここの病院は『母子同室』という選択肢があり、 赤ちゃんに問題が無ければ4日目から退院までを、 文字通り同じ部屋で過ごせる。 賛否両論、 ☆これからは、嫌でも毎日一緒なのだから、 入院中くらいは別々で過ごして楽したい…という人。 ☆これから毎日一緒に過ごすのだから、少しでも多く 赤ちゃんと一緒に過ごして生活リズムに早く慣れたい…という人。 私は後者だ。 連れ去り事件防止の為、部屋は決まっていて2部屋のみ。 その部屋の入り口、廊下には防犯ビデオが設置されている。 そして、消灯の時間が来ると部屋に鍵をかけられる。 もちろん中にいる人は鍵を開けて部屋の外に出られるので 夜中にどうしてもトイレに行きたくなったら、 同室のママさんに声をかけるか、眠っていたりして頼めなかったら ナースステーションまで連れてって看護婦さんに預ける。 これも大切な我が子を守るためには仕方ない事。 以前のように自由に動き回れなくなってしまうけれど、 授乳に呼び出されることは無いから、すごく楽だった。 朝の10:00くらいに看護婦さんが来て、 沐浴&測定の為1~2時間くらい連れ出してくれるので、 その間ママたちはシャワーを浴びたり、用事を済ます事もできるし。 何より、 泣けばすぐお乳を飲ますことも出来る。 いつでも横を向けば美律がそこに居る。 この幸せが何ともいえない こんな写真だって堂々と撮れちゃったりするし…(笑) 面会時間も12:00~14:00、16:00~18:00になり、 2時間も増え、お見舞いに来てくれた人が抱くことも出来る。 パパやばぁばに抱かせてあげられる。 もちろん、みんな喜んでくれた。 私たちは、4人部屋(赤ちゃんを含めると8人)を もう一組の母子と1日目を過ごした。 ここの部屋はカーテンを開けっ放しにしていたので ものすごく気分が良かった。 美律は、夜中0:00にお乳をあげると明け方の5:00まで起きなかった。 お乳が十分足りていたからか、あまり泣かなかった。 私はお乳が良く出ていて、絞って捨てていたくらいだった。 私にとって『母子同室』というのはものすごく楽だった。 同じ日に同室を選んだママさんは赤ちゃんの夜鳴きがひどく、夜中も 1時間おきに泣いて起きていたので、翌朝は今にも泣きそうな顔をしていた。 美律、「ママ思い」でありがとう。 7月21 入院5日目(母子同室2日目)。 隣の人が退院した。 この広~い4人部屋(他の病棟なら6人部屋のはず)を美律と二人っきり 明るい部屋でのびのび♪ 誰に気兼ねする事もない。 もともと身勝手で気分やの私にとっては最高にいい条件♪ この日、美律は人生で初めての”モデル”となる。 沐浴の講習のモデルに貸して欲しいと言われた。 10:30頃 看護婦さんが美律を迎えに来た。 初のモデル…沐浴(笑) 美律は健康で、プクプクしていて、 そして、扱いやすい大きさだったから… でも入院中、美律は産科の看護婦さん達の間で 『可愛い顔の赤ちゃん』 として話題になっていたらしく、ナースステーションに寄ると 看護婦さんが寄ってきて『この子、本当に可愛いよね~』 と、言ってくれたりして私の低い鼻が少し高くなっていた(笑) 美律が連れていかれたのでわたしはその間にシャワーへいく。 12:00前に美律が戻ってきた。 看護婦さんに『どうでした?泣きました?』と聞くと、 『元気な声で、泣いたよ~。 ベビーバスの中で、うんちもしたのよ。 退院してからお風呂に入れるママにとっては、 こういうトラブルがあって、とってもいいモデルでした。』 とのこと・・・。 よく考えてみればそうですよね。 練習では簡単でも、実際は湯船でうんちをしたり泣きわめいたり… 赤ちゃんにはこんな事はしょっちゅうですもの。 こういう事があるよ、と教えてあげた美律は偉い! って…、すごい親ばかだなぁ…(笑) 部屋に帰ってきてこういう何事もなかったように… さすが私の子! この、広い部屋を美律と二人で使う事が出来、 面会時間も有って無いようなもの… 旦那サマが来ても、ばぁばが来てもゆっくりと美律との時間を過ごせる。 三食のご飯も出て、美律をお風呂にまで入れてもらえる。 家事をしなくていい、寝て、お乳をあげて… この生活が、今日で終わる。 明日は退院だ。 .。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:* .。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:*・゚☆.。.:* ☆ とうとう退院…♪ 6月21日(土) とうとうこの日がきた。 今日から三人の生活だ…不安。 今日は美律のために パパが、朝から家の掃除をしてくれた。 1週間近くほったらかし散らかりっぱなしの家を掃除…。 (散らかしたのは本人だけど…w) 私は、お昼ご飯を食べてから帰りの準備。 14:00頃 旦那様が迎えに来てくれて、3人で写真を撮りました…うふふ♪ 荷物を車に運んでくれ、後は帰るだけになりました。 ナースステーションに行き、看護婦さん達にご挨拶。 とりあえず、車に乗ってからも『カシャ』 旦那サマは私が実家に帰るのを嫌がったので…仕方なく家に(笑) これから、3人の生活の始まりです。 |